#1 江川 章さん

第1回目は、新章丸船長の江川 章さんにズームイン!

 江川さんは一昨年いわき市漁業協同組合の組合長に就任しました。
組合員のトップとして、大家族の家長として責任を背負い、これからの漁協の将来を危惧しながらも、若い後継者の為に時代に合った漁業を確立すべく様々な構想を抱く、いわきの浜のゴッドファーザーです。

15歳当時の江川少年は父と同じ道を歩むことに迷いはなかったと言います。
卒業式にも参加できずに、大型北洋船に乗組員として、でっち奉公のように8年近く遠洋に出発したのが漁師の始まりでした。
極寒の船上での作業で、過酷な辛い作業が続いたそうです。船酔いをしなかったのが救いで
『ごはん炊きはもちろん、海の生活は水が大切なのでお風呂は海水だった。毎日毎日365日味噌汁はわかめ・ネギ・ジャガイモの繰り返しだった・・・』
と言いながら、どこか懐かしそうな表情でした。
船乗りとして荒々しい負けん気の強い、かなりやんちゃな海の男に成長していきました。

その後、23歳で父の後を継ぎ久之浜で船に乗り、船長となり乗組員の家族のため、競争の激しい世界のため、寝る間も惜しんで人よりも何倍も努力して表彰され、輝かしい実績を残しました。

ところが、50代半ばに大病を患い、好きだったタバコもお酒も止めざるを得ない転機がありました。現在は早寝早起き適度な運動とサプリメント・・・健康的な生活を送っています。

ちなみに10月ごろから捕獲が始まるマスコ(鮭)のスジコ(筋子)のイクラは『うちの母ちゃんのが一番』だと言っていました。
相当おいしそうです。是非食べてみたいです。

―最後にご自分を魚に例えると?の質問に―
『シャチ!』(即答)
泳ぎは得意で『魚…活きているものを獲るという事は、弱い気持ちで立ち向かうことはできないので自然と荒々しくなる。強くなり、言葉も荒っぽくなる。』と力強い言葉に続き、『そんな気持ちでおります。』とやさしい笑顔の組合長でした。
ありがとうございました。